高校生の頃、地元の有名店で修行したマスターが開いたコーヒー屋さんでアルバイトをしていました。
洋服が大好きでとにかくお金が欲しかった私は、夏休みになると毎日のように朝から晩までシフトを入れてお金を貯めていました。「もっと勉強しておけばよかった」なんて思うこともあるけれど、あの時の経験があるからこそ、カフェの仕事の大変さは今でも身に染みてよくわかります。
朝はまず、お店全体にモップをかけることから。 汗だくになりながらモップをかけ終えると、次は重い椅子を下ろしていきます。重厚感のある落ち着いたお店だったので、椅子がとにかく重い……。運動神経はあまりない私ですが、体力だけは自信があったので、開店までの1時間でなんとか準備を終わらせていました。
そのお店では、サンドイッチやランチプレートを作ることも任せてもらいました。今の今まで忘れていたけれど、思い返すとまた作りたくなってきます。あの場所が、私のカフェという空間への原点だったのかもしれません。

通ってくださる常連さんのメニューや、好む席は自然と頭に入っていきました。 使うカップはお客さんの雰囲気や好みに合わせて、ずらりと並ぶ棚から選ぶ。 「今日はどのカップにしようかな」と考えながらカップを準備する時間が、とても楽しかったのを覚えています。ココアの作り方やコーヒーの淹れ方も、マスターの手元を見て観察していました。
大人になってからも何度か足を運んだそのお店は、今ではもうなくなってしまいました。 でも、高校生の頃には分からなかった「お気に入りのお店がある生活の豊かさ」は、あの頃の体験が教えてくれた気がします。
私はカフェで写真を撮るのが大好きです。 ゆったりと流れる時間そのものが写真に写り込むような気がして、ついカメラを向けたくなります。

カフェ撮影に行くのは人がまだ少なく、朝イチの澄んだ空気感が残る時間帯が一番好きです。 店員さんがランチの仕込みや準備で少し忙しそうに動く音と、客席に流れる寝起きのような静けさ。そして、窓から斜めに差し込む朝の光が、空間に柔らかい影を落としてくれます。 お昼時は賑わうお店も、モーニングの時間は比較的ゆったりとしていて、心から心地よい時間を過ごせます。
そんなカフェ好きで写真好きな私ですが、ずっと憧れていた写真家さんの「カフェ撮影ワークショップ」に参加してきました。

その方は女性にも男性にも大人気の写真家さん。当日は参加者10名全員が女性で、終始とても賑やかで楽しい雰囲気に包まれていました。
普段のカフェ撮影では自分が注文したメニューくらいしか撮りませんが、その日はお店全体を撮影させていただける特別な時間。オーナーさんのこだわりや好みが散りばめられた店内の小物を探すのもワクワクしました。

フード撮影のレクチャーでは、普段自分が手がける仕事(商用撮影)とはまた違った「空気感を含んだ切り取り方」を教えていただき、「おしゃれだなあ……」と感動の連続。
さらに、FUJIFILMの高価なカメラをお借りして試すこともできました。最後には自分の思うベストショットを発表し、講評していただく時間も。

インプットして、すぐに自分の手でアウトプットする。 学びと刺激に満ちた時間は本当にあっという間で、「東京に暮らしていて良かった!」と心から思える一日になりました。
朝の光、コーヒーの香り、そしてカメラ。 高校時代のあの汗だくの朝から、私とカフェの心地よい関係は、ずっと続いているようです。


















